今日が、何度目の出勤だろう。
もうお店の雰囲気にも、ビクビクしなくなった。
「かわいいね」
…なんてお世辞を言う客に対して、作り笑顔でお礼を言えるようになった。
口下手だったあたし。
それでもここでだけは、リップサービスも覚えた。
今あたしの隣には、前田さんが座っている。
あたしは指名を取るために、営業を始めた。
「ミライちゃん俺以外の客とも、連絡先交換したりしてんの?」
「ううん、何かそういうの怖くってさ」
あたしは小さく首を横に振ってみせる。
彼は本当に純粋で、単純で。
あたしの初めての指名の客。
あたしの唯一の連絡先を知る人。
きっと彼は、そんなあたしの嘘を信じて、自分は特別だと思っている。
あたしは営業をしていくと決めた日、まず斎藤さんにメールを送ったのだけれど。
前田さんの分かりやすいくらいの、あたしに対する好意。
でも、それに困っていたあたしは、もういなくて。
むしろそれを、利用しなきゃなんて思うようになっていた。
もうお店の雰囲気にも、ビクビクしなくなった。
「かわいいね」
…なんてお世辞を言う客に対して、作り笑顔でお礼を言えるようになった。
口下手だったあたし。
それでもここでだけは、リップサービスも覚えた。
今あたしの隣には、前田さんが座っている。
あたしは指名を取るために、営業を始めた。
「ミライちゃん俺以外の客とも、連絡先交換したりしてんの?」
「ううん、何かそういうの怖くってさ」
あたしは小さく首を横に振ってみせる。
彼は本当に純粋で、単純で。
あたしの初めての指名の客。
あたしの唯一の連絡先を知る人。
きっと彼は、そんなあたしの嘘を信じて、自分は特別だと思っている。
あたしは営業をしていくと決めた日、まず斎藤さんにメールを送ったのだけれど。
前田さんの分かりやすいくらいの、あたしに対する好意。
でも、それに困っていたあたしは、もういなくて。
むしろそれを、利用しなきゃなんて思うようになっていた。