頭によぎるのは、自分が白金の隣で笑っていたあの頃……。






あの頃は、あの毎日がずっと続くと思っていたのに。



あたしが……白金の隣でずっと……






あの頃、願っていたことはもう叶わないの?





白金の言ってくれた言葉も


白金の優しかった腕も、唇も、



全部……全部…忘れなきゃいけないの?







ねえ、白金?


あたし、白金の記憶を取り戻すなんて言ってたけど……無理かもしれない。






白金が記憶を取り戻してくれる確信は無いのに。


このまま……ずっとこのままの状態が続いたら……。





あたし、壊れちゃうよ。








あたしは2人を見ないように玄関へと走り出した。