抱きしめられたのと同時に後ろから腹に伸びてきた細い腕。



俺はゆっくりとその腕に手を重ねた。





ーーー「白金あたしの事思い出せた?」



「……………」





俺は後ろにいる女の問いに答える事が出来ない。




何だ…この気持ち……。


懐かしくて、愛しくて、心が暖かい。



言葉にならない思いが胸に溢れる。



知りたい。
ーーお前は…誰だ…?


俺は女の腕を外して後ろを振り向いた。





ーーー「白金。あたしは……みあだよ」





その言葉が聞こえた瞬間、視界には……みあの笑顔。





「み……あ……」





そうだ。……みあ。


俺の世界で1番大切な彼女。





「俺何で忘れて……」