ーガチャッ





「………っ…」





白金がいない玄関前を見て喉の奥が熱くなる。



バカだよね。いるわけないのに…。

あたし…少し期待した。




数日前みたいに微笑みながら「オス。みあ」って優しい声で言ってくれるって思っちゃった。



当たり前だった日常だったけど…凄くかけがえのない事だったんだ。


失ってから気づいたよ。



涙が流れそうになりカバンから手鏡を取り出す。





「大丈夫!頑張れる!!」





鏡に映るあたしの目は昨日、華と泣きはらしたせいで赤くなっている。



華がいる…あたしは1人じゃない。

銀色コナンくんだって、白金のお姉さんだっている。