Luck TesT

「あの…捜査は進んでますか?」

聞くと答えはなく、返ってきたのは特大のため息をだけだった。

「朱美は…見つかりましたか?」

『…いいや』

必要最低限のことしか言ってくれない布施に、私はそれでも、必死で食いついた。

「身元不明の人って、あと何人いるんですか?朱美かどうか、確認にどのくらいかかるんですか?」

だが、布施は何も答えてくれない。

「朱美も真也も連絡がつかないんです!お願い、今どういう状態なのか知りたいんです!」

半ば叫ぶように言った。
だが。

『教えられない』

布施からの答えはただそのれだけだった。

「…わかりました」

私は、泣きそうになるのを必死でこらえながら、通話を切った。