Luck TesT

暫くの間、二人で思い出話にはなを咲かせた。
だが、時間がたつにつれ、だんだんと口数が減っていく。

手に持っていたマグカップの中身を、くるくるとまわしてみる。

「あの、さ」

結斗が少し言いにくそうに口を開く。

「葵、何で朝、あそこの部屋にいたんだ?」

「え?」

一瞬、何のことかわからず首を傾げる。

「お前が今日、あそこにいなかったら…授業サボってなかったら。俺らも今日のあの爆発に巻き込まれてただろ?絶対…」

結斗の顔色が少しだけ青ざめて見えた。

「クマ先は知ってたみたいだけど…なんでお前、あそこにいたんだ?」

私はマグカップの中を見つめながら答えた。