Luck TesT

難波の声とともに、どこかでガラスの割れるような音が聞こえた気がした。
どうやら気のせいではないようで、難波も動きを止め、あたりを確認しているようだった。

「…難波さんは、最初から知ってたんですか?」

誰でもいい。
もしかしたら、自分を殺しに来た人物かもしれないが、その人物と難波がやりあっている間に、逃げられるかもしれない。

だから、まずは見つけてもらわないと。

そう思い、少し大きめの声で難波に問いかけた。

「何をだい?」

ゆっくりと校庭側の窓へと歩いていく難波。
そっと窓の外を覗いているが、少しあたりを見回して、今度は方向転換し、廊下側へと歩いた。

「サイトのこと、です」

聞くと、あぁ、と笑った。

「いや。最初から知ってたわけじゃないんだ。知ったのは偶然、かな?」

「偶然?」

「うん、そう。偶然」

難波はほほ笑んだ。