「緒方君、ちょっと部屋を出るけど…」
難波に言われて、俺は小さく頷いた。
「ごめんね」
たぶん、トイレにでも行きたくなったのだろう。
あまり足音を立てないようにして、難波は少し足早に病室を出て行った。
「…葵」
ぎゅっと握り締めた手は少し冷たい。
寝息を立ててくれているから、まだ、葵は死んでいないんだと、思うことができた。
こんなことになるなんて…
お前もきっと、思ってなかったよな。
青白い顔。
そっと、ほほを撫でてみるが、その頬も、握っている手と同じく冷たい。
「目を…覚ましてくれ……」
難波に言われて、俺は小さく頷いた。
「ごめんね」
たぶん、トイレにでも行きたくなったのだろう。
あまり足音を立てないようにして、難波は少し足早に病室を出て行った。
「…葵」
ぎゅっと握り締めた手は少し冷たい。
寝息を立ててくれているから、まだ、葵は死んでいないんだと、思うことができた。
こんなことになるなんて…
お前もきっと、思ってなかったよな。
青白い顔。
そっと、ほほを撫でてみるが、その頬も、握っている手と同じく冷たい。
「目を…覚ましてくれ……」


