「念のため、点滴を打ったほうがいいと思いますが…」
「いや、いい。そいつの治療が終わるまで、横にしておくことができるば、それで」
医師の申し出は頑として断った。
緒方は確実に、処置が必要だと、素人目に見てもわかるが、本郷に関してはそれほどの必要性は感じられない。
薬に何かを盛られちまったら、そこまでだ。
小さくため息をつく。
もともと、自分はこの頃頻発していた、連続殺人事件を追っていたはずだ。
手口も、場所も、被害者も、容疑者も。
何一つとして繋がりはなかったし、手がかりも見つからなかった。
「…いや」
手がかりが見つからない訳ではなかった。
現に、容疑者も何人かあがっていた。
…全てに繋がる何が、何もなかったんだ。
「いや、いい。そいつの治療が終わるまで、横にしておくことができるば、それで」
医師の申し出は頑として断った。
緒方は確実に、処置が必要だと、素人目に見てもわかるが、本郷に関してはそれほどの必要性は感じられない。
薬に何かを盛られちまったら、そこまでだ。
小さくため息をつく。
もともと、自分はこの頃頻発していた、連続殺人事件を追っていたはずだ。
手口も、場所も、被害者も、容疑者も。
何一つとして繋がりはなかったし、手がかりも見つからなかった。
「…いや」
手がかりが見つからない訳ではなかった。
現に、容疑者も何人かあがっていた。
…全てに繋がる何が、何もなかったんだ。


