Luck TesT

グラスに入った水の匂いを嗅いでみる。

「…ほんとだ、甘い匂いがする」

自分のほうに置かれたグラスを手にとって、匂いを嗅いでみた。

「あれ?」

もう一度匂いを嗅ぐ。
だが、結斗の方に置かれたグラスからは、何の匂いもしない。

「葵、飲むな」

口をつけようとしていた葵を慌てて止める。

「え?」

水を口にする直前で、葵の動きが止まった。

「おかしい。俺のグラスのほうはそんな甘い匂いしてない」

そう言うと、ゆっくりと辺りを見回しながら、結斗はコップをテーブルに置いた。
葵も恐る恐る、コップをテーブルに置く。

「…ここ、出るぞ」

小さく呟く結斗。
葵は、うん、と頷いた。