Luck TesT

「布施さん!待ってください!」

追いかけるようにして、一人の若い男が部屋から出てきた。

「なんだ、難波」

布施が面倒臭そうに聞くと、難波はムッとした顔で答える。

「何だ、じゃないですよ!また置いていこうとしたでしょう!」

プリプリと怒るこの男を見て、布施は小さく溜め息を着いた。

「いいじゃねぇか。ちゃんと一緒に行動してるだろ」

「そういう問題じゃ…!!」

まだ怒っている難波を一睨みして黙らせる。

「一緒に行きたけりゃ少し黙ってろ」

布施の迫力に負けて、難波はぐっと口を閉じた。