Luck TesT

「2人とも警視庁捜査一課の刑事だ」

「杉本京子といいます。よろしく」

「成田だ」

にっこりと愛想のいいお姉さんと、無愛想なおっさんの2人に、葵たちは、小さくぺこりと頭を下げた。

「で、ここから移動するってことだったから。ちょっと2人には変装してもらうことになります」

そういうと、京子は自分のバッグから、化粧道具を取り出した。

「ちょっと…じっとしててねー…」

言うやいなや、葵と結斗をベッドに座らせ、せっせと化粧を始める。

「おい、緒方にも化粧するのか?」

布施が聞くと、杉本はこくりと頷いた。

「あったりまえじゃないですか。男の子は特に、ちょっといじってやるだけで印象変わるもなんですよ」

そう言うと、チョキチョキと眉を切り始めた。

「え?え??」

驚く結斗に、杉本は、動かない!と怒る。

「す、すいません…」

じっとしている結斗の眉をどんどん整えていく。