Luck TesT

難波が出てきてもいい、と言ったので、葵と結斗は、ベッドの下から這い出てきた。

「で、何があったんだ?」

布施に聞かれて、難波が答える。
すると、彼は難しそうな顔をして、口を開いた。

「…移動するぞ」

「え?」

布施の言葉に、2人は顔を見合わせた。
難波は首を傾げる。

「まだ、この場所が見つかったって、決まったわけじゃ」

「いや、もうここも安全ではないだろう」

言い切る布施に、葵は聞いた。

「なんで…ですか?」

布施は真剣な眼差しで続ける。

「さっき、お前たちの囮を頼んでいた警官から連絡があってな。囮がばれたかもしれない、と言ってたんだ」

「え…?」

「そしてこのタイミングで、ここを誰かが探りに来たかもしれない。となると、このホテル自体が安全じゃなくなる」

布施の言葉に、葵は思わずごくりとのどを鳴らした。