「きゃあ!」

「なんだっ!?」

大きな衝突音と共に、目の前が夜中だというのに一気に明るくなった。

「大変だっ!き、救急車!」

お父さんが慌てて電話をかけながら、車からおりていく。

お母さんもそれに続く。

「葵、あなたは危ないからここにいなさい!」

パトカーか何かのサイレンが聞こえた気がした。
人が少しずつ、増えていく。


何、これ。


ゴウゴウと燃え盛る炎。
その中心には2台の車があり、人影が見える。


「なんなのよ、これ」


呟くと、涙が溢れた。