Luck TesT

病室まで案内してくれた先生の話しは、私には難しくてよくわからなかった。

ただ、強力な睡眠薬をいくつか混ぜて飲んでしまっているため、いつ目を醒ますかわからないということだった。

「今日はもう遅いですから、また明日、面会にきてください」

先生の言葉に、小さく嫌だ、と反抗する。

「明日になれば、また状況が変わるかもしれないから」

諭すように先生が私に言った。

「葵…一旦帰ろう」

な?とお父さんが、肩をポンッと叩いた。けど、その手は微かに震えていた。

「…うん」

私は暫く、結斗達を見つめたあと、素直に頷いた。

「…結斗、おばさん。また後でくるよ」

そう言って、両親と共に病院を出た。