Luck TesT

駅前を通りすぎ、いつもの長い坂道を下る。
だが、いつもは絶えず続く会話が、今日はまったくといっていいほど続かなかった。

「結斗」

立ち止まり、名前を呼んでみる。

「なんだ?」

結斗も立ち止まり、私の方を向いた。

「…あの爆発、どっちも事故だよね?」

緊張と不安で、パリパリに乾いた唇を開く。

「当たり前だろ?」

結斗の言葉に、ホッと安堵する。


…そうだよね。


大きな爆発事故。
そのどちらにも自分が関わっているような気がしたのは、やはり考えすぎだ。

そう思い直し、私は笑った。