Luck TesT

『相変わらず電話に出るの早いな』

苦笑しながら富永は続けた。

『鑑定結果、出たぞ』

中野朱美の遺体と判定されれば、残す身元不明の遺体はあと何体だったか。
そんなことを考えながら、富永の次の言葉を待つ。

『中野朱美に該当する遺体はない』

富永の真面目な声。
冗談を言っている風ではない。

富永の言葉に、思わず眉を潜めた。

「理由は」

『一致する歯形がない』

「…爆発に巻き込まれてんだ、当たり前」

『そうじゃない』

富永は俺が喋るのを遮った。