こんなはずじゃなかった!


息を切らせながらも必死で走った。
もうどれだけ走ったかわからない。久しく運動なんてものをしていなかった体にはかなり堪える。

「はぁっはぁっ…っはっ…」

ふと、小さなビルとビルの間に、人一人分の小さな隙間を見つけた。


ここに隠れよう。


辺りをキョロキョロと見回して、そのまま彼は隙間の中へと入っていった。