さくらシンドローム


家の近所の公園を通ると何やら言い合いしている男女に遭遇した。

「来てくれるって言ったじゃない!」

「だから、明後日は予定が入っちゃったの。」

なんだろう。痴話喧嘩だろうか。

「そんなのいつでもいいでしょ!」

「よくないよ。」

「絶対瑞樹には来てほしいのよ!約束したでしょ!その日なら大丈夫って!」

…瑞樹?

「大丈夫じゃなくなったんだよ。ごめんね、なるちゃん。」

「瑞樹!」

凜太郎がチラリと様子を伺うと、そこにいたのは瑞樹と見たことのない女性だった。