体育祭が終わり、一段落した頃。
席に座ってボーッとしていると、ズッキーが話しかけてきた。
「なあ桐生。今月末の日曜日、暇だよな?」
「は?」
「遊び行こうぜ。」
「へ。」
なんてこったい。まさかズッキーから遊びに誘われるとは。
今までズッキーから誘われることは一度もなかった。声をかけるのはいつも俺からばかりで。しかも女の子とのデートがあるとかで10回に1回くらいしか誘いに乗ってくれないズッキーが俺を誘う日が来るとは。
「感慨深いな…」
「は?」
「いや、何も。たぶん暇。遊ぼう。」
「よし、決まりな。何するかはまた今度決めようぜ。」
「おう!」
何故ズッキーが俺を誘ったのか、このときは何も知らなかった。