幸雄は学校に着くと、校門の前で仁王立ちしてガンを飛ばしていた。

「…ねえ、誰あれ。なんか怖いんだけど。」

「…さあ?うちの制服着てるし…この学校の人?」

生徒たちはヒソヒソ話しながら校舎に入っていく。

「さくら…さくらはどこだ。」

幸雄はガンをつけているつもりはない。ただ血眼になって『さくら』という女子を探しているのだ。

「あれ?桐生君だよね?」

一人の男が話しかけてきた。

「あ゙?誰だてめえ。」

「今日から君の担任の松井だよー。前も会ったでしょ。」