「……おじゃましまーす」 ラベンダーの匂い。 こんなに人の家をじろじろ見たり嗅いだりなんて…はじめてです。 「階段上がって右に曲がるとすぐの部屋が俺の部屋だから。俺は…なんか飲み物もってくる」 一段一段、ゆっくりのぼった。 今、この瞬間を心に刻むように。 ところどころに段ボールがあって、行きにくい階段。