「おはよう、小林くん!」
え!?小林くんまだ話してるよ!?
…それをわりこんで挨拶できるなんて、ひなって恐ろしい…
「あ、はよ。久しぶりだね」
「あのさ、その人と話し終わったら、うちらとはなそーよ!!」
なんで、私もなんでしょうか…
「…蘭、友達?俺、行くわ」
――その時初めて小林蘭と話をしてた人の顔が見えて、私は、鼓動が速くなった。
…松村くんじゃん!!
ヤバい、久しぶりに会えたから、超うれしい!
「じゃ」
松村くんは席をたって、廊下にむかって歩きだす。
待って!!行っちゃうの?
どんどん進む君。
楽しく話してるひなと小林。
松村くんが、ドアにさしかかった時、私は自然に足が動いた。
「え、何?」
「え?あっあの…あ、ごめんなさい!」
馬鹿だ、わたしは…
走って、松村くんの服の裾を引っ張るなんて。
話しかけないって、決めたのに。
「もしかして、アンタ、いつも図書室に来る人?」
え…
私がいつも図書室に行ってるのを、知ってるの?
「そ、そうです…。あの、どうして最近、その…」
言葉が口からだせない。