昼休みは図書室へ 【完】

ゆっくり顔を上げた。





期待なんかしてないよ。





この大きな足が。






松村くんだなんて。






「やっと、言える」






でもやっぱり松村くんで。




「橘。俺は…俺は」





松村くんの声がふるえてる。






そのふるえてる声が。
とても嬉しくなるようなことを言ってくれた。





「入学式の時から、橘が好き」



嬉しい。嬉しいに決まってる。


けど。



「ダメだよ…松村くん。花音ちゃんは…?」


「花音は…」

ガラガラっ

バン。


いきなり図書室の扉が開いて、閉じて。



「苺花ちゃん、なんでせっかく苺花ちゃんが大好きな人に告白されてダメって言うの!?
……そこは、はいって言うとこでしょ!?もう結斗は私だけの結斗じゃないんだよ…?」


え。待って。今花音ちゃんが何言ったか分かんなかったんだけど…



「馬鹿じゃないの!?あんだけ言っといて分かんないなんて、ホント馬鹿。結斗は、入学式の時から…」




「それ以上言うな、花音。あとは俺が直接伝えたい」


頭の中が混乱してるよ…