昼休みは図書室へ 【完】

まあ、昼休み図書室にも行けなくなったし…


いっか。




――キーンコーン、カーンコーン…


聞き慣れた学校のチャイム。

昼休み開始。



「行くよ!苺花!」


「え…ご飯は?」


「そんなの後で食べればいいでしょ!ほら!」


んな強引な…



どんだけ学校探検したかったの、ひなは。




黙ってついていくと。

ある教室のドアの前。


「行ってきな?」

ひなの優しい目がそう言ってるみたい。


「ねぇ…なんでここに…」



「遅い!!橘、はやく中に入って!!」


図書室から出てきたのは坂下くん。



何!?なんか企ててる!?



何も知らないまま、ひなと坂下くんに急かされ…恐る恐る図書室にはいった。



今一番来たくない場所。



何も見たくなくて、顔を下げた。




皆、なんなのよ…せっかくひなと楽しくご飯を食べたかったのになぁ。



……その時図書室の中に、冬にはいりそうな冷たい風じゃなくて、


春のような暖かい風が肌をこすった。




「下向かないで、上向いてよ」


見えたのは私より大きな内履き。