「あ、おかえり!」

一番の親友のひなに、図書室から帰ってきたら結果報告。

「苺花、来てた?図書室の彼は」

「来てた…てか、その呼び方止めてよ!松村くんっていう名前があるんだから」
「苗字だけど。まぁいいや。で、声かけられた?」

「か…!かけられるわけないじゃん!!」

…ずっと見てただけだもん…声…なんて。

「はぁぁぁぁぁ…
あのさ、このままじゃ、苺花、その彼と進展できないよ?」

「別に…進展なんて望んでないし。私は、見てるだけでいいの!」


…だって。松村くんには、松村くん…には…
「あ!!忘れてた!あのさ、苺花に言っとこーと思ってたんだけど」

「なに?」

「私さ、好きな人ができたんだ!」

「え!?誰!?」

「隣のクラスの、小林蘭だよ」