保健室に入ってきたのは、 桜の花びらを一緒に連れてきた、 黒髪の男の子。 男の子っていったら失礼だけど、きれいな髪をなびかせて。 ふわっと私の膝の上に花びらが落ちた。 「…好かれたんだ、君も」 「え…──」 「この花びら、俺達のことが好きなんだよ」 そう言って私の膝を指差した。