「へぇ。面白そう!!」

ちゃんと本を読まない私にとって、松村くんが紹介してくれる本はいますぐにでも読みたくなる。


「そして、これ、超面白い。一番のおすすめだから!」


……手渡されたのは。

いろんな花が表紙に飾られたとってもきれいな本。


「世界の見たことない花について紹介してるんだ。男、女関係なく読める!」


キラキラ目を輝かせた松村くんを見て、また、温かくなる。


そういえば、松村くん、昨日と違って明るくなってる…?


よっぽど、本が好きなんだね。



松村くんは、その他に三冊本を紹介してくれた。



「俺…昔から本が大好きでさ、お昼食べることも忘れて、つい読んじゃうんだ」

「すごいね!私、そこまで没頭してるのなんてな…」

ううん、ある。

君に会うために、図書室に行くこと。


「お願いが、あるんだけど」

「え?」


「勉強、俺に教えてくんない?」


思ってもみなかった一言に、嬉しさが隠せない。


「いいよ…!!」

「っしゃあ!マジ助かる!」

昨日までの冷たい態度は消えていて。明るい、入学式で会った時の松村くんが目の前にいる。