「よくもまぁ、寝たもんだ」

「竜ヶ崎居たら寝ないんだけどな」

「ははっ、確かに寝れねぇよ」

 笑いながら教科書を取り出し教室を出た。竜ヶ崎明日も来るんだろうか。

 居なくなった平和さを堪能しながらも、明日からの隣の席が気になって仕方がなかった。静かにすれば、おとなしくしていたら大丈夫なはず・・・。

 大体何でこんなに女にビクビクしなくちゃいけないんだ。男としての威厳はどうした、俺。そんな自問自答をしても、結局蘇ってくるのはゲームセンターでの竜ヶ崎。男を倒した彼女のことを思い出すと身震いがした。はぁ、もう俺ダメかも知れない。