「いいから俺の首に君の唇を這わしてよ?紅愛」 威圧的な態度とはうって変わって、今度はあたしの耳元で囁くようにそう急かす。 (困った……) 心臓がドキドキうるさい。 人間に――― それも貧血少年に 翻弄(ほんろう)されっぱなしのあたしなのです。