はぁ……
小さく息をつく。
なんだか力が抜けていく。
逃げ続けてまで、あたしやりたい事あったかしら……?
長く生きて同じ生活を続けて、目立ち過ぎないようにセーブして、こそこそ逃げ回りながら命を繋ぐ。
なんだか惨めだわ……。
紗依くんには裏切られるし……。
少し…、だいぶ悲しくなってしまった。
力が抜けて投げやりな気持ちになってくる。
紗依くんがそんなにあたしを捕まえる事に情熱を燃やしているのなら、この先、生きる意味を見いだせないあたしの命をあげてしまおうか……。
(紗依くんがそれで喜んでくれるならこの命にも少しは価値があるって事よね。)
……なんて卑屈な考えに到達している内に腕を神父につかまれてしまった。


