「わかってるよ。あんなヤツは血液補給以外に利用価値ないしね」 紫杏はさも当然と言うように頷く。 「それにしても紅愛は賢いね。それに料理も、……独創的だし、自慢の姉だよ」 優しくあたしを見つめる紫杏。 彼こそあたしの自慢の弟。 「残念ながら時間がなくてあなたの分のお弁当は作れなかったの。また作るから楽しみにしててね?」 紫杏はカップの紅茶をこぼしながら、大きく首を降った。 「……イヤそんな、……無理しないでいいから!」 ね、とても遠慮深いでしょ?