「オー!それは素敵な嫌がらせだね!」 紫杏の顔がパッと晴れやかになった。 「……嫌がらせ? いつも貧血っぽい紗衣くんの血を吸ってるから鉄分補給に作ってみたんだけど……?」 「……え」 「あっ、べ、別に血を吸わせてもらってるお礼とかじゃなくて、紗衣くんと仲良くしたい訳じゃなくて……ほら、貧血とかで死んじゃうとあたし達が疑われて暮らしにくくなるって言うか……っ」 あたし何言い訳してるんだろ……。