体育祭はそのあとの競技に移り、順調に進んだ。 しばらくたって唯だけが戻ってきていた。 普通に振る舞っていたが、目が真っ赤に腫れていたために泣いたことがわかった。 唯、誰のために泣いたんだよ。 その涙、誰にぬぐってもらったんだよ。 まぁ、そんなことわかりきっているのにな… 自分が入り込む隙なんてない、ずりぃよ兄貴たち。 俺はその日先に帰って、自分の部屋から一歩も出なかった。