俺はあの時、唯ちゃんに翔也を諦めさせることなんてたやすく出来た。 俺を好きにさせることだって出来たはずだ。 だけど だけど 出来なかった。 あの涙を見た瞬間─。 自分が好きな人を幸せにしたいと思うけど、やっぱり好きな人には一番幸せであってほしい。 なんて、なに俺はかっこつけてんだよ…。