「早く、仕事しないと定時に終われないよ? 今日、映画行くんでしょ?」 話を変えてアタシは彼女を急かす。 「あ、そうそう! 大好きなハリウッドスターの映画、 やっと公開なんですよっ。 もうコレ楽しみに今日仕事きたようなもんなんですから!」 舟岡さんは慌ててパソコンに視線を戻してデータを入力、 確認してゆく。 アタシは彼女に聞こえないように小さなためいきひとつ。 どうして。 こんなことになってしまったんだろう。