心地よい風が吹く。

揺れる髪を手でおさえる。

ふたりの間に言葉はないけれどそんなに苦にもならなかった。


そして彼は沈黙を破ってまた話し始める。

「もう二度とあんな想いは。
そして
薬師さんにはあんな想いをしてほしくない。
そう思ったとき、
そう思ったから、
そのときからきっとたぶん俺は薬師さんに…」


あんな思い…。

彼とアタシ、
同じところにいた。


哀しい想い。

叶わない想い。