アタシが何も言わないのは。
言うことによって彼から笑顔が消えてしまうこと、
それが怖いから。
「酷い…」
でも思っていたことも言葉にできずやっと言えたのはその一言だけだった。
「酷い?
俺が?
だって事実だろ?」
彼はアタシをちらりとも見ることなく誰もいなくなった廊下を見つめていた。
どうしていつもそんなことばかり言うの…。
どうして…。
「…それに想いがかなったとしても誰にも祝福されず、
未来も約束もされない頼りない永遠…
そんなもの、なんになる?」
でも。
彼の言葉は酷だけれど。
それは正当に違いなかった。

