真っ白な壁、高い天井、
大きなステンドガラスから差し込む光。

その先には真っ赤なバージンロード。

永遠の愛を誓い、門出を祝う参列者。

その中に彼は居る。

変わらない笑顔がそっと
私をあの頃へと連れ戻す・・・。

この不思議な感覚は、
彼が居る限り変わらないだろう。

永遠のパートナーが出来た今も、
私と彼の間には微妙な空気が流れている。

それは他の誰にも分からない、
特別な2人だけの空気・・・。

「来てくれてありがとう。」

何年ぶりに会うだろうか、
スーツが少ししっくりきている。
前会った時は、スーツに着せられていたのにな・・・。

「やっぱりウェディングドレスはヤバイなぁ・・・綺麗に見えるのな。」

中身はずっと変わらない。
大好きだったあの頃と何一つ・・・。

「今日は仕事休み?
二次会にも来てくれるの??」

「おう。
あいつらも仕事片付いたら来るってさ。」

「そっか、楽しみだね。
じゃあ用意があるからまた後で・・・。」

彼との出会いは小学校五年の頃。
私が転校した先のクラスに彼が居た。
それが私の長い片思いの始まりだった。