──人間界は決戦に備え、動きを慌ただしくする。

 人類は、皆が結びつかなくては勝利はあり得ないと本能的にそれを感じていた。

 そんな中でも、デイトリアスの活躍がにわかに広がりを見せていた。

 キャステルの元には正確な情報が伝わっているものの人々の耳には色んな尾ひれが付けられ、すでにどんな人物なのか想像がつかなくなっている。

「デイが神様だってさ」

 寄せられる情報に久住が苦笑いを浮かべると、キャステルもそれに笑みで返した。

 突然、人々の前に現れ魔物をことごとく蹴散らし何も言わずに去っていく。

 あらゆる動きが美しく、それに神聖な印象を受けてもおかしくはない。