「護りきれなかったのは私の責任だが、今はそれを議論している場合ではない」

 入り口を背にして円卓の前に立つデイトリアは淡々と述べた。

「その原因を作ったのはあんたなのに、責任を追及するなとはムシのいい話じゃないか? えぇ? デイトリアスさんよ」

 体格の良い男が睨みを利かせた。

「じゃあ、あんたなら護りきれたっていうのかよ。デイなんかより弱いくせして!」

 デイトリアの隣にいた久住が男にくってかかった。

 全ての関係者がデイトリアの強さを知っている訳じゃない、中にはこの男のように噂だけでやっかむ者もいる。

「なんだとてめぇっ!」

「なんだよっ!」

「やめろ」

 つかみ合いの喧嘩を始めた二人を制止する。