記憶の桜 -栄枯幻世-




「しかし、女子の一人旅は危険ではないか?」



「別に平気です。今までがそうでしたから…」



長州浪士を殺し歩く私にとって、毎日が危険と隣合わせだった。



いつ死ぬか分からない中で、私は生きてきた。



もちろん、これからもそうするつもりだ。



「トシ。女子と分かった以上、この娘を1人には出来ん」



近藤さんは揺るぎない瞳で土方さんを見据えている。



「分かったよ。あんたが言うなら、仕方ねぇな」