記憶の桜 -栄枯幻世-

【涼】


私は屯所に戻ると、服を着替える為に部屋にいた。




「土方さん!」




玄関から原田さんの声がした。



平助君が帰って来たのかな?




それにしては、原田さんの声には焦りがある。




まさか、平助君に何かあったの!?




私は不安になり、女物の着物のまま、玄関に向かった。




玄関に着くと、土方さん達が集まっていて、私の不安は的中した。




平助君は背中を斬られ、瀕死の状態だった。