「残念とは何の事かしら?」
「…いや、こっちの話だ」
「そう。私はこれから用があるので、これで失礼しますわ」
伊東さんは軽く会釈をすると、中に戻って行った。
「ありがとうございます、原田さん」
「涼、あの男には気をつけろ。あと、この事は土方さんに話しておいた方が良いな」
そう言って、原田さんは私の頭に手を置いた。
「新選組にいたいか…。嬉しい事、言ってくれんじゃねぇか」
わしゃわしゃと頭を撫でると、彼は巡察に出かけて行った。
「土方さんに伝えに行こう…」
私は箒を片付け、土方さんの部屋に向かった。



