記憶の桜 -栄枯幻世-



「近藤さん、ちっとこいつを寝かせて来る」




俺は眠ってしまった涼を抱き上げ、広間を出ようとした。




「あら、鬼の副長と呼ばれる土方さんも女性には優しいんですのね」




「伊東さん、何か問題でもあるのか?」




「いいえ、別に」




奴は裾を口に当て、薄気味悪く笑った。




こいつ…、何を考えてやがる…?




俺は奴の言葉を気にかけながら、涼を部屋まで運んだ。