でも、誰も恋仲になる事は叶わない。 あの子はあの人の事が好きだ。 あの人を見る涼ちゃんの目は、僕達を見る目とは違う。 愛しい人を見る目――。 多分、あの人も彼女を…。 「恋敵は多いですよ。早く自分の気持ちに気付いてください、土方さん」 この時、僕はまだ彼女に対する恋心に気付いていかなかった――。