記憶の桜 -栄枯幻世-



でも…。




「でも、花散り鬼になって、私は違うものを得た。新選組という居場所を…、貴女という家族を…」




私が得たものは失ったものと同じくらい大切なものだった。




「白百合…、ううん、ゆり…。貴女に逢えて良かった」




「涼…」




私はゆりを抱き締めた。




彼女のした事は許せない。




でも、ゆりは独りで寂しかったんだと思う。




愛されるはずの家族に愛されず、独りで生きて来た。




だから、私がゆりの家族になってあげないと――。




「大丈夫だよ。ゆりはもう独りじゃない」




「ごめんなさい、ごめんなさい、涼…」




ゆりは今まで耐えていた分を吐き出すように涙を流した。