記憶の桜 -栄枯幻世-

【涼】


「ん…」




目を覚ますと、周りは暗かった。




今は夜…?




どうやら、随分と寝てしまったらしい。




横に視線を移すと、斎藤さんが壁にもたれかかった状態で眠っていた。




ふと、手首についた手の後が目に入る。




「うっ…」




昼間、手籠めにされそうになった事を思い出し、急に吐き気が込み上げて来た。




私はふらつく足取りで井戸へ向かった。




水を飲むと、気分が落ち着き、近くの木に寄り、息を吐いた。




「何故…」




何故、白百合さんは私が女だという事をばらしたのだろう?




分からない…。