記憶の桜 -栄枯幻世-



私は近藤さんの背中を見送ると、視線を土方さんに移した。




綺麗な人…。




長い漆黒の髪に、すっと通った鼻筋、やや薄い形の良い唇…。




すべて、綺麗に整っている。




すると、土方さんがぱちりと目を開けた。



「起きてたのか…。気分とか悪くねぇか?」




若干寝ぼけながら、彼は私の体調を気遣ってくれる。