記憶の桜 -栄枯幻世-



土方さんは溜息を吐く。




彼からしてみれば、こんな願い、迷惑な事だ。




そう思い、私は土方さんの服から手を放した。




すると、彼は布団の横に座り、服から放した手を握ってくれる。




「しょうがねぇな…。傍にいてやるから、寝ろ」




大きくて、温かい手…。




彼の温もりを手に感じながら、私は眠りについた。